体験談

1日1食は天人の食事

インドを旅して病気になる

20代のとき2年間インドを旅していました。原因不明の病気にかかって、寝たきりの生活になってしまったので帰国しました。病院で検査をすると、「何も異常はない」と言われました。しかし、起きているのも辛いので、他の病院でも検査をしたのですが、結果は同じで原因はわかりません・・・。
症状としては、体がだるくて起きられない、寒気がして気分が悪い、体が冷えて眠れない。うつ状態になって、人の目を見るのが怖くてやる気が起きませんでした。このときは半年ほど寝たきりの生活をしていました。

天人の食事に取り組む

そんなとき、木更津の小倉先生を紹介していただき、先生の診療所に1週間ほど入院しました。先生は医学博士で、「病気は自然治癒力を高めれば治る。そのためには食事を変えて運動すればいい」という信念で治療されていました。入院中のメニューは、玄米菜食で1日1食(700キロカロリー)、毎日10キロ走るというものでした。これはあとでわかったことですが、東洋医学では食事の取り方について、以下のように表現しています。
「1日3食は凡人の食事。1日2食は賢人の食事。1日1食は天人の食事」
小倉先生によって、知らぬ間に「天人の食事」に取り組まされていたわけです。

体調の変化に驚く

退院後も1日1食を続けていくと、はじめの3ヶ月間は毎月2~3キロずつ体重が減りました。しかし、4ヶ月目からは体重が減らなくなりました。栄養学で成人男性は、1日に2100キロカロリー必要だと学びました。ですから、1日700キロカロリーしか食べていないのに体重が減らない、ということが理解できませんでした。そこで、先生に尋ねると以下のような答をいただきました。

「現代人は、戦国時代であれば大名しか食べられないような、豪華な食事を毎日食べています。ですからほとんどの人が、食べ過ぎて胃腸が疲れ切っています。その結果、食べたものから十分に栄養を吸収できなくなっています。2100キロカロリー食べても、700キロカロリー吸収するのがやっとです。そのくらい胃腸を酷使しているのに、自覚している人はほとんどいません。
そこで玄米菜食で1日1食にすると、胃腸を休ませてあげることになります。その結果、胃腸は本来の働きを取り戻し、食べたものから100%栄養を吸収できるようになります。具体的には700キロカロリー食べて、そのすべてを吸収できるようになります。それは2100キロカロリー食べて、700キロカロリーしか吸収できないときと同じです。
また、毎日10キロ走ることで、血液、体液、気の循環がよくなり、内臓の働きが高まります。それらの結果1日1食でも体重は減らないし、体調が良くなります」

4時間半寝ると「パッ」と目が覚める

半年ほどすると面白い現象が起きてきました。それまで睡眠時間は、7時間必要でした。今は4時間半寝ると自然に目が覚めてしまいます。それも「パッ」と目が覚め、心も体もすっきりしています。睡眠不足なのに眠くないし、一日中動いても疲れません。どうしてなのだろう? と思って先生に電話すると、次のように言われました。

「昼間動くと血液が酸化します。そこで、酸化した血液を浄化するために睡眠を取るのです。あなたは1日1食にして動物性のものを避け、毎日10キロ走っているので、血液が非常に酸化しにくくなっています。今まで酸化した血液を浄化するのに、7時間の睡眠が必要でした。今は血液の酸化の度合いが少ないので、浄化するのに4時間半の睡眠で十分です。ですから、4時間半以上寝る必要がないので目が覚めているだけです。昼間動いて疲れを感じなければ、何も心配することはありません」

以前はうつ状態で、人の目を見るのも怖かったのですが、体調がよくなると意識も前向きになり、うつのことは忘れていました。そのときは、病気を治したいという純粋な思いでベストを尽くし、厳しい食事療法や運動療法に耐えていた感じがします。

食の大切さを教えることを仕事にしたい

体調が回復してくると精神的にも充実してきました。仕事をどうするか考えていると、自分の病気が食事を変えることにより治ったので、「食の大切」さを伝える仕事をしたいと思いました。小倉先生は東洋医学で治療をしていたので、東洋医学を仕事にしようと思いました。

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