体験談

感じたことをやってそこから学ぶ

不調和なことはやらないという意識

私は長年「不調和なことはやらない」という意識が強かったと思います。しかし、現代の地球の文化で生きている限り、不調和なことをたくさんして生きているように思います。例えば、電車やバスに乗ればCO2を排出しています。私はそういう自覚なしに毎日電車やバスに乗っていました。

あるとき、「無意識に不調和な行動をたくさんしているのに、意識的に「不調和」だ と感じられたことだけをやらないのは矛盾している。これからは「感じたことはどん どんやってみよう」と思いました。
そう思って1年間やってみた感想は、「感じたことがエゴであっても、やるとそこか ら学べることかある」ということです。

私の「不調和なことはやらない」というのは、自我で自我を抑えて我慢しているだけ で、何もエゴから卒業していなかった。だったらエゴでもいいからやってみて、メッ セージをもらって早く卒業した方がいいと思いました。 実際にやってみると、エゴで感じたことは楽しくてやめられなくなります。でも、そのうちきついメッセージがやってきます。

厳しいメッセージ

あるとき、私の考え方や行動に対して、非常に厳しいメッセージが来ました。それは自分には全く身に覚えのないことで、事実とは真逆のことで攻め立てられました。
そのことは、相手のために良かれと思ってやったことでしたが、逆恨みされてしまっ たので怒りが出てきました。
事態はどんどん悪化して、相手は、私がとんでもなくひどい人間かのように人に吹聴 しています。「社会的に制裁する」とまで言われるので、すっかり困惑してしまい、 相手からの真のメッセージを受け取る余裕などありませんでした。

どのように問題を収拾したらいいのかわからなくなり、ある先生にカウンセリング をお願いしました。その先生とカウンセリングをしていくと、私がエゴでやっている ことでもおおらかに受け入れてくれて、たしなめる様子はありません。
「どうしてそういう態度がとれるのですか?」と質問すると、

「若林さんにとって、その体験をする必要があったからやりたいと感じたのでしょう。人は自我を抑えるという自我に捉われてしまうと、かえって増幅してその自我に執着してしまいます。
北風と太陽の物語のように、抑え込むのでなく解放する方向に意識を向けてみるので す。あえて自分からその自我に向き合って体験してみると、その実体験を通して見え てくる景色があったり、漠然としていた自我の全体像が見えてきたりして、いつの間 にかその自我から解放されていきます。
あんなにこだわって執着していたことでも、あぁなるほど『こういうことだったのか 』という具合に、自分の内に静かに腑に落ちる感覚が生まれてきます。

そのような意味で、やりたいと感じたことは一見不調和に見えても、実は自分が固執 していた本当の理由に気づいたり、こだわりを手離せるきっかけになることもありま す。全部ではなくても、一部だけでもやってみて、そこから学んでいくといいと思い ます」とのことでした。

話し合いに失敗する

カウンセリングをはじめて2ヶ月ほど経ったとき、厳しいメッセージをくれた相手と、直接会って話をする機会がありました。事前に、自分が本当に伝えたいことを明確にできるよう、気持ちを整えて臨みました。しかし、当日は痛烈に否定され、悲痛な言葉を絶え間なく言われて、これ以上は無理だと思って帰ってきました。

家に着いてから先生に電話して報告すると、以下のようなアドバイスをいただきま した。
「今日はがんばりましたね。今回は急展開で会うことになったけれど、真に話し合え るタイミングではなかったようですね。でも必要なタイミングが訪れたときには、か ならず話し合えるから大丈夫ですよ。今日は今日で直接会えた大事な意味がちゃんと あったと思いますよ」という話を聞いて、なるほど!そう思えばいいのかと思いまし た。そして、失敗して落ち込んでいた気持ちが一気に晴れました。

怖くてエゴを出せない

その後、また話し合いに出向いたときに、再び私の人格を否定するような厳しいことを言われました。また、「あなたはこのようなエゴの行動をしているが、それは間違っているので許せない」と言われました。
それについては言われる通りなので、このままエゴの行動をしていると、相手が 大変なことをしてきそうなので、「怖くてエゴを出せない」と思いました。話し合い は決裂したのですが、自らを改めてエゴを手放すために、自分自身を見つめ直すこと を決心しました。話し合いがうまくいって、相手が許してくれたら安心してしまい、 エゴの行動をやめようという決心ができなかったのではないかと思います。

ゆっくり時間をかけて解決していく

先生から、「無自覚のうちに相手を傷つけてしまっていた過去の時間は、若林さんには過ぎ去った日々のことであっても、その方にとっては未消化の感情が残っている現在進行形のことなのです。お互いにやむを得なかった事情や誤解も多くあったと思いますが、今起きていることについては、お詫びと感謝をしながら生涯をかけて解決していく、という真摯な気持ちで取り組んでください。その方はお互いの人生の接点で、若林さんの気づきを促し、サポートするために身を以て今の役割をしてくださっていると思えたら、本当にお詫びと感謝しかないですね」と言われました。通常「早く解決したほうが、不安や心配から解放されて楽だ」と思っているので、その言葉には いろいろと考えさせられました。
厳しいメッセージをくださった方相手には、一生かけて「おわびと感謝」をさせていただこうと思います。

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