「はじめに」より
はたして文明の発達は、病気になる人を減らしたのでしょうか? 増やしたのでしょうか? そして、現代の医療は真に病気を治しているのでしょうか? なぜこれだけ衛生状態がよくなり、医療技術が発達したにもかかわらず、膨大な医療費が必要になってしまうのでしょうか?
「病気を治す」ことの本質を追究していくと、病気の症状そのものを治すのではなく、「なぜ病気になったのか」「生きるとは何なのか」と、病気の原因となった生き方、考え方、生活習慣、社会環境、そして現代の文明のあり方を、よりよく変えていくことが大切になります。そうしないと、いくら病気を治す技術が進歩しても病気になる人は減らない、というまことに皮肉な現象が起きてしまうかもしれません。
これからは、『病気を本質的に治す医療』が求められ、それが常識になったとき、「病気で悩む人がいなくなる社会」が確立されていくことでしょう。
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